毎日の生活に身近な存在の「塩」ですが、その割に案外知らないことも多いもの。塩の賞味期限や保存方法、種類、特長、品質、料理への使い分けの目安など、塩や食塩についての基礎知識をまとめてみました。
平成9年の専売制度の廃止や最近の自然食ブームなどに伴ってさまざまな「天然塩」や味噌、醤油などが発売されています。塩はもともと原料の価格差が少ない商品なので、価格は宣伝費やマージンによる差であることに注意しましょう。また、塩には成分表示の義務はないのですが、あえて「製法」や「原産地」などの詳しい説明を表示している製品を選ぶのが賢い選び方でしょう。
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●塩の賞味期限:食品には、品質保持に関わる「消費期限」「賞味期限」のふたつの期限表示が義務づけられていますが、塩は、長期間保存しても品質の変化がほとんどない非常に安定した食品なので、長期保存による腐敗や品質劣化の心配がなく、食品衛生法とJAS法(農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律)においても、期限表示を省略できる食品に該当しています。時間が経った塩は固まってしまうことがありますが、砕いて使用すれば全く問題や体への害はありません。
●塩の保存方法:塩は、まわりの湿度の変化などに反応して、乾燥や吸湿を繰り返したり加重を加えられたりすると固まってしまう性質を持っています。高温で湿度も高い夏の間や、気温が高いまま湿度が乾燥してゆく秋口にかけては特に固まりやすいシーズンなので保存に注意しましょう。固まるのを予防するには、密閉容器に入れて乾燥した涼しい場所に保管することです。注意したいのはにおいを吸着しやすい性質なので洗剤や香料などのそばに置かないこと。また冷蔵庫は容器内部が結露しやすいので避けたほうがいいでしょう。塩の固まるのを防ぐためにいくつかの添加物が固結防止剤として使用されている場合があります。
●塩の種類:日本で販売されている塩を大きく分類すると、「精製塩」と「特殊用途塩」にわかれます。精製塩はイオン交換膜製法で製造された塩化ナトリウム99.2%の塩で、他のミネラルをほとんど含みません。精製塩以外の塩のほとんどは「特殊用途塩」に分類されます。天然塩(自然塩)には、海塩、岩塩、湖塩などがあり、おのおのに様々な製塩方法がありますが、いずれにせよ元をたどれば全て海水です。
市販されている「食塩」は、日本国内でくみ上げた海水を濾過したのち、イオン膜を使って塩分を濃縮し、それを煮詰めたのち乾燥させる「イオン膜・立釜法」で作られています。したがって原料は100%海水で、化学的に合成されているものではありません。
また海外の塩田で作られた高純度の自然海水塩にニガリを添加したのち再度煮詰めて加工した「赤穂の塩」、「伯方の塩」、「シママース」などの高温製法の輸入自然塩や、国内の海水で作った自然海塩の「奥能登天然塩(クシ・ソルト)」、「海の精」などがあります。
●塩の使い分け:料理によってさまざまな塩を使い分けてみたい人は、特性が大きく違う塩を選びましょう。溶けやすさが違うこと、粒の大きさが違うこと、などが目安になります。にがりなどの量の差はよほど大量に使用しないと違いが分かりにくいです。
●塩の白さ:食塩は均一に白く見えるので、脱色や漂白をされていると思う人が多いのですが、食塩の白さは、もともと無色透明な結晶の表面に光が乱反射して白く見えているものです。結晶が細かくなるほど白く見えるので、比較的結晶の大きい「岩塩」や「天日塩」などは、乱反射が少なくなりより透明に近く見えるのです。